札幌の6月はアカシヤの花の季節。アカシアの樹に咲き乱れる白い花はまさに壮観です。
札幌と言えばアカシア
札幌を代表する植物と言って、真っ先に思いつくのがアカシアです。明治時代から札幌の街にはアカシア並木があって、札幌の象徴のひとつともなってきました。
古い観光絵はがきセットには、必ずアカシア並木の写真があったし、札幌を舞台に歌われた歌謡曲に何度も登場してきたのも、やっぱりこのアカシアでした。
「♪アカシアも散った恋の街さっぽろ~」とか「♪アカシアの花の下で、あの娘がそっと涙を拭いた~」とか「♪アカシアの雨に打たれて、このまま死んでしまいたい~」とか、札幌の初夏と言えば「アカシア」というのが、超絶定番なんです。
ちなみに、北原白秋が作詞した童謡「この道」にも「♪この道はいつか来た道、ああそうだよ、アカシアが咲いてる~」というフレーズがあって、これも札幌を舞台にしたものだという説があるそうです。
アカシアの白い花
アカシアの花の見頃は6月中旬。ちょうど、札幌まつりで街が賑やかに盛り上がる頃、札幌の街ではアカシアの白い花が咲き乱れます。
札幌の6月は梅雨もなく、風が爽やかで、1年の中で最も気持ちの良い季節です。青空の中で咲き誇る満開の白い花を見ていると、札幌で暮らしていて良かったなあと、しみじみと感じます。
そもそもアカシアはとても高く成長する木なので、青空の高いところで真っ白い花が一面に咲き乱れる光景は、本当に壮観です。どうして札幌市が、このアカシアの白い花をもっとPRしないのか、本当に不思議で仕方ありません(笑)
アカシアの花の香り
アカシアの花は香りを楽しむこともできます。
白い花が満開のアカシアの樹の下を通るとき、ふんわりと柔らかくて心地良い香りに包まれます。決して、顔を背けたくなるようなきつい匂いではなくて、あくまで優しい感じの甘い香りです。
なにしろ、アカシアの白い花からは蜂蜜(ハチミツ)が採取できることでも有名で、ハチミツになるくらいなんだから、当然花の香りも良いに決まっていますよね。
いつまでも香りの近くに佇んでいられるので、香りに包まれながら、日常の嫌なことを全部忘れちゃいましょう。
本当は「ニセアカシア」だった
よく言われることですが、北海道の「アカシア」は「アカシア」ではなく「ニセアカシア」だそうです。自分的にはどっちでもいい話ですが(笑)
地元の人は「アカシヤ」と呼ぶ
札幌の人たちはアカシアのことを「アカシヤ」と言います。あ、最近はそういう人も少なくなってしまいましたね。札幌の古い方々は、ということだと思います。
お年を召された方々が「アカシヤがきれいだねえ」とかお話しされているのを聞くと、心が和みます。札幌では「アカシヤ」ということで良いんじゃないでしょうか(笑)ローカルルール大事。
お勧めスポットは中島公園
昔の歌謡曲に歌われたような素晴らしいアカシア並木は、現在の札幌にはありません。
街路樹としてせっせと植樹されてきたアカシアですが、大きくなりすぎたりとか、どんどん枝が増えたりとか、古い樹が台風で倒れたりとか、花や落ち葉の掃除が大変だとか、おまけに外来種だとかで、とにかく市民の暮らしの中では全然人気がなくて、街路樹としてのアカシアは完全に縮小傾向なんです。
だけど、公園とか河畔とか山麓とかに行くと、昔に植えられた樹がまだ残っていて、美しい花を見ることができます。札幌中心部では、中島公園にも大きなアカシアの木があって、毎年、札幌まつりの季節にたくさんの花を咲かせていますよ。
札幌の朝を、中島公園散策で過ごしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
正直に言って、アカシアの白い花は、あまり観光素材として活用されていないので、札幌市民の中でも、その魅力に気付いている人は少ないような気がします。少なくとも、桜やライラック、ラベンダーなんかに比べると、かなり地味な存在。
だけど、観光化されていない分、アカシアの白い花には、より札幌らしい魅力が溢れているような気がします。
6月の札幌を訪れることがあったら、ぜひアカシアの白い花を探してみてください。絶対に観に行くだけの価値はありますから。
