札幌市中央図書館に行ったら所蔵資料特別展「開拓使とビールのおいしい関係」が開催されていました。
すごくおもしろい展示だったので、早速レビューしちゃいます。
ビール好きの人も歴史好きの人も必見です(笑)
開拓使とビールのおいしい関係
年間1,500万人もの観光客が訪れる札幌は、実はビールとも深い繋がりを持つ街です。
カタカナで「サッポロ」という字を見ただけで、ビールを思い浮かべる人も決して少なくないはず。
サッポロとビールの関係は、明治初期の開拓使の時代にまで遡りますが、今回の特別展では開拓使とビールにまつわる様々な所蔵資料とともに、札幌の産業の歩みを振り返っています。
開拓使とサッポロビール
明治2年(1869年)、日本政府は東京に「開拓使」を設置、蝦夷地を「北海道」と改称します。
明治4年(1871年)には札幌市内の北4条東1丁目に「札幌開拓庁」が設置され、開拓使は「札幌官園」を設置します。
そして明治6年(1873年)、北3条西6丁目を中心とする一帯に「開拓使札幌本庁舎」が落成しました。
明治8年(1875年)、開拓使はお雇い外国人ケプロンの進言を受けて、東京に設置予定だった麦酒製造所の建設場所を札幌に変更、ベルリンビール醸造会社で修業していた中川清兵衛を雇用して、明治9年(1876年)北2条東4丁目において開拓使麦酒製造所を開業しました。
明治10年(1877年)、開拓使は札幌市内にホップ園を設置するとともに、東京都内で「札幌ビール」の販売を開始します。
その後、開拓使麦酒醸造所は開拓使官有物払い下げ事件などで注目される中、明治19年(1886年)大倉喜八郎に払い下げられ、明治20年(1887年)民間企業としての札幌麦酒会社が設立されます。
展示リスト
「開拓使とビールのおいしい関係」特別展では、札幌市中央図書館に所蔵されているたくさんの貴重な資料が展示されています。
観光パンフレットやマッチラベルなど書籍以外の展示もあって楽しいです。
今回、管理人が気になったのは、札幌物産協会が昭和33年(1958年)に発行したパンフレット「札幌の物産」。
裏面が札幌産業双六になっていて、札幌市内の有名店がスゴロク形式でたくさん紹介されています。
これはぜひ自分で欲しいと思いました(笑)
地元の産業~養狐~
「開拓使とビールのおいしい関係」特別展では、ビール以外の札幌の産業についても紹介されています。
中でも「養狐業」に関する展示はなかなか興味を惹かれるものでした。
戦前の札幌では黒銀狐を養殖する「養狐業」が盛んで、市内には多くの「養狐園」がありました。
黒銀狐は現在ではほとんど忘れられている札幌の名産物ですが、こうした失われた産業に光を当てて紹介するという中央図書館の取組は、とても良いものだと思います。
人々の記憶の中に残されていない札幌の歴史はたくさんあるので、ぜひこうした小さな歴史を管理人も大切にしていきたいと感じました。
まとめ
それでは最後に「開拓使とビールのおいしい関係」特別展のお勧めポイントをご紹介したいと思います。
・札幌とビールの関係を理解できる
・ビール以外の産業にも触れられる
・書籍以外の展示物も豊富
管理人もこうした身近な展示を入り口にしながら、札幌の歴史についてもっともっと勉強していきたいと思います。
以上、参考になれば幸いです!
