旧・札幌ピープル

札幌千秋庵本店で定番土産の山親爺と巴里銅鑼とバター飴を買った

札幌千秋庵本店で定番土産の山親爺と巴里銅鑼とバター飴を買った

札幌千秋庵で、「山親爺(やまおやじ)」と「巴里銅鑼(パリどら)」と「小熊のプーチャン バター飴」を買ってきました。

札幌土産っていう感じがして楽しかったです。

札幌出身の作家・船山馨も愛した札幌千秋庵の山親爺

札幌出身の作家・船山馨の『みみずく散歩』(1978)という随筆集を読んでいたら、千秋庵の「山親爺」のことが書かれていた。

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千秋庵は札幌のお菓子屋さんで、「山親爺」は、そこの定番商品である。

私はもともと酒飲みであるし、近年は糖尿病もあって、菓子はほとんど口にしない。しかし、札幌千秋庵の山親爺という煎餅だけは、常時愛食している。バターの味が濃密で、いかにも北海道の菓子らしい風味である。噛んでいると、望郷の想いすら湧く。(船山馨「幼年期の味」)

僕が子どもの頃、千秋庵の山親爺はテレビCMでも、お馴染みのお菓子だった。

「♪出てきた、出てきた、山親爺、笹の葉かついで、シャケしょって~」というCMソングは、当時を知っている道民には馴染みの深いものだろう。

だけど、最近は「山親爺」という言葉を聞くことも少なくなってしまった。

札幌土産の菓子といえば、石屋製菓「白い恋人」や、六花亭「マルセイバターサンド」、きのとや「札幌農学校」、柳月「三方六」など、名物商品がいくらでもある。

札幌駅前通りにあった千秋庵のお店にも、しばらく行ったことがない。

大学生の頃には、友だちがウエイトレスのアルバイトをしていた関係で、千秋庵の喫茶室にも通いつめていたくらいなんだけど。

何となく気になったので、久しぶりに札幌千秋庵の本店まで行って「山親爺」を買ってくることにした。

賑わいを取り戻した狸小路

髪を切った後、狸小路を歩いて、札幌駅前通りへと向かう。

狸小路は、すっかりコロナ前と同じように賑わっているように見える。

狸小路もすっかりと変わってしまった狸小路もすっかりと変わってしまった

外国人観光客が、まだ少ないかもしれないけれど、若い人たちが多い。

狸小路に若い人たちが多いというのは、僕たちの世代には、ちょっと意外な感じもする。

もっと、お年寄りの商店街だと思っていたのだ、狸小路って(失礼な言い草だけど)。

古い店が消えて、全国チェーンの新しいお店が増えたために、狸小路の客層も変化しているのかもしれない。

新しい札幌千秋庵

駅前通りまで出たけれど、札幌千秋庵がない。

そのまま駅前通りをススキノに向かって南下すると、新しいビルに入った千秋庵が見つかった。

窓際にイートインコーナーがある札幌千秋庵。隣はセコマ。窓際にイートインコーナーがある札幌千秋庵。隣はセコマ。

昔みたいに大きな店舗ではないけれど、交差点に面して大きな窓があり、窓際には、若干のイートインスペースが見えている。

観光客と一緒に店内へ入ると、お店は想像していた以上に狭い。

昔の店舗を知っているから、そう感じるだけなんだろうけど、少し寂しいような気もした。

2021年に創業100年を迎えた札幌千秋庵

壁には大きく「創業100年」の文字がある。

1921年(大正10年)創業の札幌千秋庵は、コロナ禍の2021年(令和3年)に、創業100年を迎えた。

2021年に創業100周年を迎えた札幌千秋庵2021年に創業100周年を迎えた札幌千秋庵

1930年(昭和5年)には、新しい店舗を新築していて、定番商品の「山親爺」は、このときに店舗完成記念として発売された商品である。

高度経済成長期の1966年(昭和41年)、さらに大きな店舗ビルが完成しているが、我々の知っている札幌千秋庵の店舗が、この建物だったらしい。

札幌千秋庵の喫茶室は、札幌でも有名なカフェ・スポットだった。

現在の店舗は、2020年(令和2年)に建て替えられたもの。

つまり、僕が、駅前通りの千秋庵へ来るのは、今回が令和初だったということになる。

決して、忘れていたわけじゃなかったんだけどね、、、

山親爺とはヒグマのことです

お目当ての「山親爺」は、すぐに見つかった。

「山親爺」というのは、北海道地方の古い言葉で「ヒグマ」のこと(最近はあまり言わない)。

先程の船山馨の随筆には、この名称についての記述もある。

ただ、味わいのすぐれているわりに、鮭を担いだ熊の姿を浮かせた外形や、その名前は常套的で工夫が足りない。もう少し、味の内容や、煎餅という品物の性質に即した、相応しい外形や名称がありそうに思う。しかし、美味いことは、全国無数の煎餅中での絶品である。(船山馨「幼年期の味」)

確かに、洋風の味わいが特徴のお菓子の名前が「山親爺」というのは、議論の余地があるところなんだろう。

いずれにしても、「山親爺」は「山親爺」のままで、90年以上も経ってしまった。

レトロ派に人気の「小熊のプーチャン バター飴」

レトロ派に人気の「小熊のプーチャン バター飴」は、コーナーが設けられている。

バター飴というのは、僕が子どもの頃のお土産の定番品で、千秋庵に限らず、いろいろなメーカーから発売されていたような気がする。

レトロ派に人気の「小熊のプーチャン バター飴」レトロ派に人気の「小熊のプーチャン バター飴」

千秋庵の「小熊のプーチャン バター飴」は、1950年(昭和25年)頃の発売だが、この後の北海道観光ブームで、大いに売れたものらしい。

レトロなデザインの缶は若い世代にも人気で、沼田元気『一杯の珈琲を飲むためだけに行きたくなる札幌・小樽カフェ喫茶店案内』や、佐々木ルリ子『レトロなつかしダイアリー』などでも、写真付きで紹介されている。

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空き缶マニアには見逃せない、北海道のスーベニールだろう。

ちなみに、一部店舗限定販売なので要注意。

シルキーオムレットどら焼き 「巴里銅鑼(パリどら)」

店内で気になったのが、シルキーオムレットどら焼き 「巴里銅鑼(パリどら)」。

2022年(令和4年)4月、創業100年を記念して発売された新商品で、なんと「きのとや」との共同開発だという。

手前にあるのが「巴里銅鑼(パリどら)」手前にあるのが「巴里銅鑼(パリどら)」

「山親爺」が洋風煎餅であるように、千秋庵には和洋折衷のお菓子が多いが、この「巴里銅鑼(パリどら)」は、かなり洋風寄りのどら焼きである。

ほとんど、どら焼きらしい感じはしないが、一体どんなお菓子なんだろう?

興味本位でひとつ買い求めると、要冷蔵で保冷剤を付けてくれた。

お土産には難しいので、観光客の人は店内で食べてほしい。

カフェスペースでは、ほうじ茶が無料サービスになっている。

山親爺とバター飴と巴里銅鑼(パリどら)を購入

結局、今回の買い物は、「山親爺」と「小熊のプーチャン バター飴」と「シルキーオムレットどら焼き 巴里銅鑼(パリどら)」。

「山親爺」と「小熊のプーチャン バター飴」と「シルキーオムレットどら焼き 巴里銅鑼(パリどら)」「山親爺」と「小熊のプーチャン バター飴」と「シルキーオムレットどら焼き 巴里銅鑼(パリどら)」

地元のお菓子屋さんというのは、地元の人も食べたいお菓子がたくさんある。

今回は定番商品中心だったので、次回は、定番じゃない商品を中心に買ってみようかな。

並べてみると、「巴里銅鑼(パリどら)」のデカさが良く分かる。

「巴里銅鑼(パリどら)」は、あんこ(こし餡)と求肥と生クリームをふわふわシルキーオムレット生地で挟んだどら焼きで、思ったほど甘くないので、大きくても一人で全然いけた。

ポイントは求肥。

全体にすごく上品で軽い仕上がりなので、全然どら焼きっぽくないと思った。

また買ってきて食べよう。

レトロな「山親爺」丸缶のミニチュア・キーホルダー

ちなみに、店内では、お菓子以外のお土産グッズも売っていた。

札幌千秋庵のお土産グッズコーナー札幌千秋庵のお土産グッズコーナー

レトロな「山親爺」丸缶のミニチュア・キーホルダー(写真の左下)など、気になるものがいっぱい。

千秋庵デザインのマスキングテープ(写真の上にあるやつ)なんていうのも、ちょっとしたお土産には喜ばれるかも。

中村汀女『ふるさとの菓子』に登場した「山親爺」

「巴里銅鑼(パリどら)」を食べながら、中村汀女の『ふるさとの菓子』(1955)という随筆集を読んでいたら、またまた「山親爺」の話が出てきた。

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中村汀女は「咳の子のなぞなぞあそびきりもなや」などの句で有名な、昭和を代表する女流俳人である。

まるまるとふとった可愛らしい熊が、スキーをはいて鮭を背負った姿を、レリーフにした煎餅。これは土地を愛し熊をまた愛する人の手すさびである。材料の吟味相当、玉子の匂いは郷愁につながる。軽く食べやすい焼きと素朴な味は大事にしていいと思う。(中村汀女「ふるさとの菓子)

ここでも、また「郷愁の味」とある。

中村汀女は熊本の人だから、どうやら「山親爺」の味わいは、日本人にとって共通の「郷愁の味わい」を持つものらしい。

何だか嬉しくなった。

「山親爺」は札幌で暮らす者すべての誇りであってほしいと願う。

最後に、中村汀女の随筆に添えられている俳句をひとつ。

旅のことたづねず言はず春浅く 中村汀女

札幌の、今の季節にぴったりの俳句だった。

ABOUT ME
kels
札幌住み歴38年目。「楽しむ」と「整える」をテーマに、札幌ライフを満喫しています。妻と娘と三人暮らし。好きな言葉は「分相応」。