円山の「チーズの店コンテ」で、ゲランドの塩の有塩発酵バターを買ってきました。
美味しいバターと美味しいフランスパン。
タルティーヌの朝食は、週末の楽しみのひとつです。
「パン・オ・トラディショネル」と「チーズの店コンテ」
週末の朝にはパンを食べることが多い。
平日の朝は、季節の果物とヨーグルトのみで、炭水化物を摂るのは、あくまでも週末だけだ。
パンは、堅いフランスパンがいい。
マルヤマクラスの「パン・オ・トラディショネル」へ開店直後に行くと、焼き立てのフランスパンを入手することができる。
温かいフランスパンは、そのまま齧ってもおいしい。
パンを買った帰り道、自動車の中でパンの端っこを食べながら運転することもある。
食べ歩きの好きなフランス人から教わった、美味しいパンの食べ方のひとつだ。
パンに添えるのは、バターとジャム・コンフィチュールのみで、飲み物として紅茶を淹れる。
いわゆるコンチネンタル・スタイルで、卵とかハムとかベーコンとかサラダとか、余計な副菜は付けない。
主役は、フランスパンであり、バターであり、ジャム・コンフィチュールである。
先日は、円山の「チーズの店コンテ」で、「ゲランドの塩の有塩発酵バター」というのを買ってきた。
北海道美深産と書いてある。
美深町といえばチョウザメの町で、数年前に「びふか温泉」へ泊まったことがある。
チョウザメ料理も食べたけれど、貴重な経験として一度食べれば十分だと思ったような気がする。
村上春樹『羊をめぐる冒険』のモデルとされているのは、美深町の仁宇布(ニウプ)という集落である。
仁宇布には何度も行ったけれど、雪の降る直前の季節でなければ、『羊をめぐる冒険』の雰囲気は感じられないかもしれない。
チーズの店コンテでバターを買ったとき、そんなことを思い出した。
このバターを作っているのは、美深町仁宇布にある塩崎牧場だ(AOZORA料理店が経営する工房は「プティフロマージュ」と言うらしい)。
塩崎牧場のグラスフェッドミルク「プティフロマージュ」
ゲランドの塩の有塩発酵バターというのは、塩崎牧場のグラスフェッドミルク「プティフロマージュ(Le Petit Fromage)」から作られているバターのこと。
いつものようにトーストしたフランスパンの上に、室温に出しておいたバターをたっぷりと乗せると、まるでハチミツみたいに、バターがパンの中へ染みこんでいく。
フランス人は、パンの上にたっぷりとバターとジャムを乗せて食べるらしい。
買ってきたばかりのバターを、熱々のパンの上にたっぷりと乗せて食べると、シンプルなトーストが、たちまち御馳走になってしまう。
フランス風に言えば「タルティーヌ」というやつで、タルティーヌは、良いパンと良いバターと良いジャム・コンフィチュールがなければ、その美味しさは伝わらない。
逆に言えば、ベーコンエッグやサラダを作る予算があったら、その分、良いパンや良いバターを買うべきだと思う。
豊かな人生というのは、そんな、ささやかな朝食で得られるものかもしれないから。
それが、地元産のものであれば、幸福度はさらにアップする。
札幌産がなければ北海道産。
ローカルにこだわるということも、ひとつのミニマルライフなのではないだろうか。
http://www.aozoraryouriten.co.jp/