ミニマルライフ

地元の温もり。電車通りの昭和レトロな喫茶店「たんぽぽ」のコーヒーが美味しい。

地元の温もり。電車通りの昭和レトロな喫茶店「たんぽぽ」のコーヒーが美味しい。

電車通りの「喫茶たんぽぽ」でコーヒーを飲みました。

1980年代の空気感を感じる、昭和レトロな喫茶店。

コーヒーが美味しくて、長居したくなってしまうお店です。

南21条電車通りの昭和レトロな喫茶店「たんぽぽ」

電停「東屯田通」の南向かいに「喫茶たんぽぽ」がある。電停「東屯田通」の南向かいに「喫茶たんぽぽ」がある。

ループ化している札幌市電にも路線がある。

西7丁目の通りを南北に走るのが「山鼻線」で、西15丁目の通りを南北に走るのが「山鼻西線」。

いずれも「中央図書館前」が起点となっていて、札幌中心部で「1条線」と「都心線」へ繋がっている。

一番古い路線は「山鼻線」で、1923年(大正12年)8月に「すすきの」~「行啓通」間が開業したのが始まりだった。

当時既に、山鼻地区でも住宅化が進んでいたが、最初の市電は、まずは屯田兵村の中心部までということで、行啓通りが終点となったのかもしれない。

現在のように、南21条を市電が走るようになったのは、師範学校が移転した後で、1931年(昭和6年)に「師範学校前」(現在の「中央図書館前」)の電停が開業している。

だから、昭和期の山鼻を支えたものに、札幌市電があったことは間違いないだろう。

南21条の電車通りには、現在も個性的な商店が並ぶが、昭和レトロな喫茶店「たんぽぽ」も、その一つだ。

札幌市電を「東屯田通」の電停で降りると、南側に長沼ジンギスカンの「肉のマルタ」や中古レコードの「音楽創庫タナカ」と並んで、「喫茶たんぽぽ」がある。

見た目に風格を感じさせるが、店内に入ってしまうと、何の衒いもない町の喫茶店だ。

ソファー席に腰を落ち着けて、コーヒーを注文すると、静かなピアノ曲のBGMだけが聴こえる。

市電が通り過ぎるときの震動が、何だか新鮮だ。

まるで「北の国から」に登場しそうな喫茶店だと思っていると、次々と常連客が現れる。

古い喫茶店には、昔馴染みの人たちが集まるものなのだろう。

美味しいコーヒーに常連客が集まる

コーヒー(400円)はお世辞抜きで美味しい。コーヒー(400円)はお世辞抜きで美味しい。

店内は、あっという間に満席となり、世間話に花が咲く。

カフェとか純喫茶とか、そういうのいいから、といったような、地に足の着いた貫禄がある。

ここに集まる人たちに、昭和レトロとか純喫茶とかインスタ映えとか、そんなものは何も関係ないのだ。

温もりある居心地の良さに集まってきているだけの人々。

コーヒー(400円)は、最近飲んだ喫茶店の中では、かなり上位に入る普通の美味しさだ。

もしかして、喫茶店を究めるっていうのは、こういうことなんじゃないだろうか。

理屈ではなく経験で、毎日お客さんと向き合ってきたからこそ、培われた歴史がある。

店内には、よくわからない手作り雑貨が、所狭しと飾られていて、懐かしき1980年代の空気を、そのままに漂わせている。

作り物ではない、本当の懐かしさ。

市電の通り過ぎる音を聴きながら、久し振りに贅沢な時間を過ごしたような気がした。

居心地のいい喫茶店は、地元にこそある。

案外、そういうことなのかもしれない。

ABOUT ME
kels
札幌住み歴38年目。「楽しむ」と「整える」をテーマに、札幌ライフを満喫しています。妻と娘と三人暮らし。好きな言葉は「分相応」。