東屯田通りにオープンしたばかりの「土鍋ごはんカフェMayMay」。
ランチメニューは、炊き込みご飯・日替わりお惣菜・汁物がセットになった「銘々御膳」(1,500円)のみ。
料理も気配りも素晴らしい土鍋ごはんカフェです。
東屯田通りと南17条線
山鼻地区を空から見ると、石山通りと市電西線のちょうど真ん中に、東屯田通りが走っている。
東屯田通りは、東本願寺の裏から始まっていて、明治初期、ここが山鼻屯田兵村の始まりだった。
西9丁目の通りを、今でも「東屯田通り(ひがし・とんでん・どおり」と呼ぶのは、かつてここに屯田兵の村があったことの名残りである。
東屯田通りを北から南へと歩いていくと、行啓通り(南14条)の次に大きな道が、南17条線ということになる。
この道を西へ向かうと、市電「静修学園前」電停があり、電車通りを越えると、かつて女子高だった静修学園を通り過ぎたところに、地下鉄「幌平橋」の駅がある。
ここまで来ると、もう中島公園のエリアで、山鼻という中央区南部の町からはみ出してしまう。
電車通りを越えずに、市電沿線を南下すれば、北海道を代表する進学校・札幌南高校がある。
ひとつひとつのスポットに、山鼻の歴史を感じることができるのが、元・山鼻屯田兵村というエリアなのだろう。
さて、東屯田通りが南17条線へ出たところに、「土鍋ごはんカフェMayMay」がある。
電車利用ならば、「静修学園前」で降りて西(石山通りの方向)へ向かえばいいし、自動車利用ならば、近くにコインパーキングを探すことになる。
地下鉄「幌平橋」から歩いていくことも可能だろう。
ランチメニューの「銘々(めいめい)御膳」
和菓子の「百代亭」を過ぎて、古本の「ビーバーブックス」を通り過ぎると、「土鍋ごはんカフェMayMay」の華やかな店舗が見える。
華やかなのは、ここがまだオープンしたばかりのお店で、店内に開店祝いの花が溢れているからということもあるだろう。
テーブル席が3つとカウンター席。
テーブル席のうち2つは2人掛けだから、決して広いお店ではない。
その理由は、料理が出てきたときに分かる。
ランチメニューは、炊き込みご飯と日替わりお惣菜、それに汁物がセットになった「銘々(めいめい)御膳」(1,500円)のみ。
炊き込みご飯は、定番の「鶏五目山菜」と「五目山菜」のほかに、「季節の変わり御飯」から選ぶことができる。
その日の「変わり御飯」は「とうきび御飯」あるいは「たけのこ御飯」だったけれど、初めてということで、超定番の「鶏五目山菜」をオーダー。
日替わりお惣菜は、とにかく品数が多い。
手の込んだ定食屋というレベルではなくて、完全に小料理屋という感じがする。
炊きたての鶏五目山菜(大盛り)とつみれ汁、そして日替わりお惣菜と並べてみると、実に壮観で、これで1,500円は安いと思われる。
炊き込みご飯には出汁が付いてくるので、お茶漬けにして食べることもできる。
目で楽しんだ後は、舌で楽しむというけれど、食べても食べても料理が減らないような気がするのは、とにかく食材が多いからだろう。
鶏五目山菜だけで、いろいろな具材が入っていて、味わいの膨らみを楽しむことができる。
オフィスでは10分で済ませている昼食も、こういうお店では、じっくりと時間をかけて楽しみたいと思う。
まさに、非日常のランチタイムだ。
店全体に気配りが行き届いている
店内は、女性二人で切り回しているらしいが、とにかく気配りがすごい。
セルフサービスのお冷の説明から始まって、ランチメニューの説明、食後のコーヒー(110円)がぬるかったかもしれないと言って、わざわざ熱いコーヒーを淹れ直してくれるところまで、店全体に気配りが行き届いている(こんなの初めてだ)。
料理と気配りを、たった二人でここまで維持するためには、お店の広さも、このくらいがちょうどいいのかもしれない。
ホールの女性の美しい日本語の使い方にも好感が持てた。
山鼻は、個性的なお店の多い街だと思う。
これからも、こういうお店が増えてくれるといいな。