週末、秋の大通公園を散策してきました。
この季節の大通公園の見所は、街路樹の紅葉です。
大きなイベントも終わって、晩秋は、素顔のままの大通公園を歩くことができる貴重な季節です。
11月は大通公園でのイベントが少ないので散策向きの季節

丸井さんの「全国うまいもの大会」へ参加する前に、大通公園を歩いた。
大通公園は、西1丁目から西13丁目まで、札幌の中心部を東西に貫く、横に長い公園である。
西3丁目と4丁目の間を、札幌駅から中島公園へと続く、縦に長い札幌駅前通りが走り、札幌駅前通りと大通公園とで、縦横に大きな十字を形成するというのが、札幌中心部の最も基本的な構造となっている。
初めて札幌の街を歩くときは、この駅前通りと大通公園の位置を頭に入れておくと分かりやすいだろう。
西1丁目のさっぽろテレビ塔から西13丁目の札幌資料館まで、距離にして約1.5キロメートル。
西4丁目に地下鉄「大通公園駅」、西11丁目に地下鉄東西線「西11丁目駅」があるが、この程度の距離なら、札幌市民は地下鉄を使わずに歩いて移動する。
イベントさえなければ、大通公園は歩きやすい公園だから、むしろ、大通公園は積極的に歩きたい公園だと思う。
もっとも、最近の大通公園は一年中なにがしかのイベント会場となっているので、歩きやすい大通公園というのは、意外と貴重である。
そして、11月は、大通公園でのイベントが少ないという、実に散策向きの季節なのだ。
大通公園の紅葉ウオッチング

この季節、大通公園の見所は、街路樹の紅葉である。
もともと大通公園は、公園として整備されたものではない。
火災発生時の防火線として作られたのが始まりで、正式名称は、現在でも「大通逍遥地」となっているから、大通公園には他の自然公園のように樹木は多くない。
というよりも、南北両端に美しく並んで東から西へと伸びる街路樹こそが、大通公園のシンボルと言える。
秋は(特に晩秋は)、両サイドの街路樹が美しく紅葉するから、散策しているだけで楽しい。
大通公園の紅葉ウオッチングは、行きに北側、帰りに南側といったように、往復で歩くコースを変えるのが基本。
大通公園は、東西横に長いといっても、南北の幅も大きいので、いちいち両端を行ったり来たりするわけにはいかない(してもいいけど)。
時間に余裕をもって、北側コースと南側コースを、それぞれ歩くのがおすすめ。
街路樹ウオッチングくらいなら、往復で1時間あれば、札幌テレビ塔から札幌資料館まで、十分に行って帰って来ることができる。
大通公園の記念碑ウオッチング

この季節の大通公園の見所、もう一つのポイントは、公園内に設置された多くの記念碑である。
大通公園は、札幌市民の象徴みたいな場所だから、札幌の歴史に関わる多くの記念碑が設置されている。
最近は、イベント開催が中心で、記念碑の存在感低下は半端ないが、本来の大通公園は、札幌の歴史を知るきっかけとして、非常に充実した文化公園なのだ。
イベントがない、この季節にこそ、大通公園内の記念碑を見学して歩きたい。
石川啄木や有島武郎、吉井勇の文学碑はじめ、北海道開拓と深い関わりを持つホーレス・ケプロンや黒田清隆の像、イサム・ノグチの作った滑り台「ブラック・スライド・マントラ」、本郷新や佐藤忠良、山内壮夫といった札幌を代表する彫刻家の制作した記念碑など、大通公園には実に見所がいっぱい。
大通公園の記念碑ウオッチングを真剣にやるつもりだったら半日は必要になる。
札幌資料館の館内見学まで含めるなら、近くでランチを取るつもりで、半日がかりの予定表を作った方がいい。
逆に言えば、大通公園は一日を費やすのに値する公園である(ただし、文化や歴史に関心のある人だったら)。
まとめ

自分は札幌市民なので、街へ買い物に出かけたときは、大抵の場合、大通公園を歩く。
そして、日常の買い物は、基本的に大通エリアなので、大通公園は本当に身近な公園だ。
娘が小学生だった頃、二人で自転車に乗って早朝の大通公園まで走るのが、週末の習慣だった。
早朝の大通公園は、犬の散歩やジョギングをする市民が中心で、文字どおり市民のための公園という感じがしたものだ。
ベンチには酔っぱらいが眠り、芝生には夜を明かした若者グループが話し込んでいる。
大通公園を知らない札幌市民はいないだろうし、札幌市民にとっての大通公園は、身近な故郷みたいな場所だと思う。
雪が降って、ホワイト・イルミネーションが始まるまでの少しの間、大通公園は、静かな季節に入る。
今のうちに、この季節にしか楽しめない、静かな大通公園を楽しんでおこう。
