旧・札幌ピープル

【豊水すすきの】ホルモン焼きの「元祖 京城屋」は週末も大賑わいだった【予約必須】

【豊水すすきの】ホルモン焼きの「元祖 京城屋」は週末も大賑わいだった【予約必須】

5月の土曜日の夕方17時ちょうどの時間を指定して、彼は席の予約をした。

すすきの「元祖 京城屋」。

店は、地下鉄「豊水すすきの」駅から、それほど遠くないところにある。

17時を少し過ぎた頃、店のシャッターが空いた

昨年12月の雪の夜に来た時は、他に客なんかいなくて、久しぶりに彼は懐かしい友だちと一緒に、ゆったりとした夜を過ごした。

ところが、今年の2月に来た時、店は満員で、その夜はかろうじて入ることができたのだが、この次に来るときは、あらかじめ予約しておいた方がよいだろうと、彼は思ったのだ。

このときは中年男性3人で訪問。腹いっぱいにホルモン焼きを食べてビールを飲んで、合計金額9,000円弱だった。一人3,000円未満である。

夕方17時に店へ行くと、シャッターがまだ空いていない。

しかも、店の前には、どうやら開店を待っているらしい人たちが、列をなして群がっている。

やはり、予約を入れておいて正解だったのだ。

「元祖 京城屋」の入口は、狭い路地に面している「元祖 京城屋」の入口は、狭い路地に面している

17時を少し過ぎた頃、店のシャッターが空いて、並んでいた客が店内に吸い込まれていく。

彼は、あらかじめ小上がりのテーブルを予約してあった。

五つある座敷のテーブルには、すべて「予約席」の札が置かれていた。

板張りに古いテーブル。

いかにも、昭和25年創業の老舗らしい貫禄がある。

「元祖 京城屋」の小上がり席。板張りに座布団が懐かしい。「元祖 京城屋」の小上がり席。板張りに座布団が懐かしい。

店内の写真を撮ったところで、すぐに座敷は予約済みの客で埋まってしまった。

何となくカップルが多い。

そして、何となく若い人たちが多い。

普段は平日の夜に、仕事仲間と訪れることが多いから、この店の客はサラリーマンばかりだろうと考えていたが、週末は意外と旅行者も混じっているのかもしれない。

座った瞬間に、店員が「席は2時間でお願いします」と言った。

昭和25年開店の老舗のホルモン屋

「元祖 京城屋」は、すすきのにあるホルモン焼きの店である。

のれんには「昭和25年創業」と書かれていて、戦後間もない混乱の時代に、この店が開店したことが分かる。

「元祖 京城屋」の看板メニューはホルモンである。

一番安い豚ホルモンが一番うまい。

ホルモン焼きを愛する彼は、この店のホルモン焼きが大好きだった。

おそらく、彼は、この「元祖 京城屋」こそ、札幌市内で一番うまいホルモン焼きを食べさせる店だと信じている。

牛タン、牛サガリ、ガツ、豚ホルモン2人前牛タン、牛サガリ、ガツ、豚ホルモン2人前

「焼き肉はないの?」と、彼の連れが言った。

「元祖 京城屋」は、ホルモン焼きを食べさせる店である。

いわゆる焼き肉屋とは違って、メニューにはほぼ臓物ばかりが並んでいた。

それでも、彼は、彼女のために牛タンと牛サガリとガツをオーダーし、自分のために豚ホルモン(決して上ホルモンではない)を3人前注文した。

生ビールは、サッポロとアサヒから選ぶことができるが、札幌市民の彼らには「サッポロビール」一択だ。

卓の上に置かれた七輪で、彼は次々と肉を焼いた。

ホルモン焼きに作法はないが、肉を焦げさせることを、彼は神経質に嫌った。

タレは甘くない。

酒の味が強いが、肉に下味が付いているので、タレをつけて食べると、ちょうどよいバランスになる。

「この店、おいしいね」

牛タンと牛サガリを食べながら、彼女が言った。

ちなみに、牛タン1,000円、牛サガリ800円、豚ホルモン370円である。

彼女がビビンバを注文しようとしたとき、店員は、ビビンバやってないんです、と言った。

どうやら卵を入手できないために、メニューを休んでいるらしい。

卵不足が京城屋にまで影響しているとは思わなかった。

一番安い豚ホルモンの並を食べ続ける

彼女が牛タンとセセリを追加し、彼は豚ホルモンを2人前追加した。

どうやら、彼は一人でホルモン焼き5人前を食べるつもりらしい。

実際、彼は、ホルモン焼きで白飯をかっこむのが大好きだった。

ホルモン焼きの店に入ったとき、彼はホルモン焼き以外のメニューには目もくれない。

しかも、一番安い豚ホルモンの並を、彼はいつでも最後まで食べ続けるのだ。

少年の頃に、週末になると家族揃って隣町にあるホルモン焼きの店で食事をしていた影響が、きっと今でも残っているのだろう。

ホルモン焼きは、彼にとってのソウルフードの一つだった。

「元祖 京城屋」のホルモン焼きは、七輪の炭火焼肉だ「元祖 京城屋」のホルモン焼きは、七輪の炭火焼肉だ

座敷の奥で、若者グループの宴会が始まった。

中央のカップルは、静かに七輪の上のホルモンを突いている。

待ち合わせをしていたらしい中年男性3人組は、顔を揃えるなり慌てて生ビールで乾杯をした。

長いカウンターにも、びっしりと客が張り付いている。

肉を焼く炭火の白い煙が店内を漂い、客は陶然としてホルモン焼きを楽しんでいる。

昭和25年、開業当時の「元祖 京城屋」も、こんなふうに楽しい雰囲気だったのだろうか。

18時を少し過ぎたところで、彼らは店を出た。

会計は2人で9,000円ちょっと。

どうやら、ホルモン焼きの店は、ホルモン焼きを愛する同好の士と一緒に訪れた方がコスパも良いらしい。

元祖 京城屋 – 豊水すすきの/焼肉 | 食べログ (tabelog.com)

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kels
札幌住み歴38年目。「楽しむ」と「整える」をテーマに、札幌ライフを満喫しています。妻と娘と三人暮らし。好きな言葉は「分相応」。