今回は管理人の好きな北海道の蕎麦「音威子府そば」をご紹介します、
道内でもレアな音威子府蕎麦
北海道の名産品といえば、鮭や毛蟹、昆布などの海産物とか、あるいは北海道産の小麦粉や小豆を使用したスイーツなどが思い浮かびますが、寒暖差の激しい北海道の気候は、実は蕎麦の名産地としての条件も兼ね備えています。
幌加内蕎麦(ほろかないそば)や新得蕎麦(しんとくそば)、江丹別蕎麦(えたんべつそば)など、産地名を冠したブランド蕎麦も少なくありません。
その中にあって、北海道内でも非常に稀少でマニアックな人気を誇るのが、道北の音威子府村(おといねっぷむら)を産地とする「音威子府蕎麦(おといねっぷそば)」です。
いつも静かな音威子府村
音威子府村は北海道第2の都市と呼ばれる旭川市から、さらに北に向かって特急列車で2時間ほどの場所にある小さな村です。
特段の産業などがあるわけでもなく、いつ訪ねても静かでひっそりとしている、そんな印象さえある村。
北海道で一番小さな村として有名。
観光名所と呼べるか分かりませんが、松浦武四郎が「北海道」の名を付けたとされる「北海道命名之地」は、この音威子府村にあります(北海道でもかなりレアな情報ですが笑)
そう言えば、村上春樹の「羊をめぐる冒険」に登場する十二滝町のモデルになったと伝えられている美深町は、この音威子府村の隣に並んでいます。
最初は驚く真っ黒い蕎麦
そんな音威子府村が誇る名産品が「音威子府蕎麦」です。
音威子府蕎麦の最大の特徴は、その真っ黒い外観です。
初めてこの蕎麦を見た人は必ずこの蕎麦の黒さに驚きます。
音威子府蕎麦が黒いのは、通常は使わないような甘皮の部分も加えて打っているから。
普通、甘皮の部分をくわえてしまうと、蕎麦がボソボソとして、すぐに切れてしまいます。
だから、ほとんどの蕎麦は黒くないんだそうです。
けれども、この音威子府蕎麦は黒い蕎麦なのにボソボソとしていないし、しっかりと腰があります。
ただ固いということではなくて歯応えがあるのにスルスルと喉を通っていく。
「一度食べると病みつきになる」という人も多いそうです。
地域に根差した生産活動
非常に個性的で一定の支持もある音威子府蕎麦ですが、大量生産はされていません。
基本的に地元で生産しているのですが、蕎麦生産の労働力の確保が難しいということが、その理由のようです。
あくまでも地域に根差した活動で対応できる範囲の蕎麦を作り続ける。
それも音威子府蕎麦の魅力なのかもしれませんね。
音威子府蕎麦を食べられる店
地元の音威子府村でさえ、音威子府蕎麦を食べさせる店は多くありません(というか「ほとんどない」と言っても過言ではない)。
駅蕎麦「常盤軒」
最も有名なのはJR音威子府駅の中にある駅そば「常盤軒」。
全国三大駅蕎麦とも呼ばれるくらいに人気のある駅蕎麦です。
もともと音威子府蕎麦の発祥は駅蕎麦みたいなので、元祖「音威子府蕎麦」として根強い人気を誇っています。
ちなみに「常盤」というのは昭和38年まで使われていた村の名前です(昭和38年に「常盤村」から「音威子府村」へ改称)。
「一路食堂」
村内にはもう一軒「一路食堂」という食堂でも音威子府蕎麦を食べることが可能です。
北海道の田舎の村の小さな食堂で、夏の観光シーズンにはライダーの姿を見かけます。
そもそも観光地ではない音威子府村なので、観光客の姿を見かけることも多くはありません。
住民保養センター「天塩川温泉」
中心部からは少し離れますが、音威子府村咲来(さっくる)にある住民保養センター「天塩川温泉」のレストランでも音威子府蕎麦を食べることは可能です。
ただし、個人の感想としては、駅蕎麦「常盤軒」が一番音威子府蕎麦らしいような気がして好きです。
札幌市内で音威子府蕎麦を購入できるお勧めのお店
管理人は札幌住みなので、そうそう音威子府村まで出かけることはできません。
だから、札幌市内で音威子府蕎麦を調達して自宅で調理して食べることが多いです。
札幌市内で音威子府蕎麦を購入できるお勧めのお店は2つあります。
札幌丸井今井「きたキッチン」
ひとつは札幌丸井今井の「きたキッチン」です。
「きたキッチン」は道産食品のセレクトショップで道内各地の良いものが入手できる、非常にお勧めのお店です。
道内各地方の名産品が札幌で入手できるのは、本当にうれしいことですよね。
「きたキッチン」は地下街オーロラタウンにあります。
「音威子府そば」は大正15年創業の「畠山製麺」の生蕎麦です。
生蕎麦なのに消費期限は2週間程度と長いので多めに買っても心配ありません。
ちなみに「音威子府そば」のロゴは、旭川出身の彫刻家・砂澤ビッキ製作の木版画によるもの。
さっぽろ東急百貨店「東急フードショー」
もうひとつはさっぽろ東急百貨店の地下食料品売り場「東急フードショー」。
「きたキッチン」と同じように「畠山製麺」の「音威子府そば」を通年購入することができます。
蕎麦の横には「音威子府そば」とのペアリング抜群な「音威子府そばつゆ」も並んでいました。
札幌市内のホテルのレストラン
ちなみに、札幌市内のホテルのレストランでは、音威子府蕎麦を食べることのできるお店もありますが、蕎麦の触感がどうにも音威子府蕎麦らしくないのが、管理人的には不満です。
音威子府蕎麦はやはり「黒くて太くて四角い蕎麦」であってほしい。
太くて四角いからこその喉越しというのは、蕎麦好きにはたまらないものだと思います。
まとめ
以上、今回は「音威子府蕎麦」についてご紹介しました。
最後に、音威子府蕎麦のポイントをまとめておきます。
・音威子府蕎麦は黒くて太くて四角いお蕎麦
・しっかりと腰があるのにスルスルと喉を通る
・札幌では「きたキッチン」と「札幌東急」で購入可能
北海道土産に「音威子府そば」なんていかがですか?
