札幌は「モユクサッポロ」のオープンで盛り上がっていますね。
だけど、新しい何かが生まれるということは、古い何かが消えていくということでもあります。
今回は狸小路から消えたものというテーマで調べてみました。
1980年代の狸小路
「モユクサッポロ」は2023年に狸小路のサンデパート跡にオープンする商業施設です。
モユクっていうのはアイヌ語でタヌキのことらしいです。
ここ、狸小路(たぬきこうじ)ですから。
よく分かんないけど、目玉は水族館の「AOAO SAPPORO」でしょうか。
凄いけど、ススキノに観覧車できたときも大騒ぎしたんですよね。
あれ、乗ったことある札幌市民って、どのくらいいるんだろう?
ちなみに、僕は何度も乗ってます(笑)
さて、新しい施設のオープンって楽しいけれど、何年か経つと、ここって昔何があったっけ?っていうこと、よくありますよね。
街の移り変わりって、そんなものなんですが、歴史を振り返るという意味で、今回は、昔の狸小路にあって、現在ではなくなってしまったものを調べてみました。
今回参考にしたのは『さっぽろ文庫 36 狸小路』です。
1986年(昭和61年)に刊行されたこの本には、1986年当時の狸小路の様子が詳しく紹介されています。
あれから四半期世紀以上が過ぎて、狸小路はどんなふうに変わったのでしょうか。
サンデパート、コスモデパート、エイトビル
まず、今回「モユクサッポロ」が建った場所には、「サンデパート」がありました。
狸小路3丁目の3と太陽のサンをかけて「サンデパート」。
最初はいろいろなお店が入っていたらしいですが、1986年にはほぼ全館に「そうご電器YES」が入っています(正確には1984年から)。
あの頃、電化製品を購入するといえば、YESだったような気がします。
冬休みにアルバイトしたお金で、シャープのバカでかいパーソナルワープロ書院を買ったのもここでした(1987年発売)。
デスクトップパソコン並にデカかったなあ、あれ。
駅前通りを挟んで「サンデパート」の向かい側にあったのが「コスモデパート」。
現在の「札幌ナナイロ」ですね。
その南向かいには「エイトビル」がありました。
地下に旭屋書店が入っていた商業ビルで、現在はドン・キホーテが入る「アルシュ」です。
今回の「モユクサッポロ」の開業により、かつて狸小路の顔だった「サンデパート」「コスモデパート」「エイトビル」が、完全に姿を消したことになります。
あと、狸小路のデパートといえば、2丁目にあった「金市館デパート」。
「ラルズプラザ」になって、しばらく生き残っていましたが、2014年に閉館してしまいました。
映画館の街だった昭和の狸小路
狸小路といえば、昭和の時代は映画館の街だったみたいです。
記録に残っているだけで、「帝国座」「スカラ座」「ニコー劇場」「松竹遊楽館」「SY遊楽」「東宝プラザ」「プラザ2」「みゆき座」と、8館もの映画館の名前があります。
特に「帝国座」は大正3年(当時はルナパーク)開業、「東宝プラザ」は大正14年(当時は三遊館)開業の老舗でした。
老舗の話をすると、2丁目にあった蕎麦屋「山福」は2008年に閉店。
隣の「みよしの」が今も現役で頑張っています。
4丁目でプラモデルを売っていた「中川ライター店」(当時は中川商店)は2015年に閉店。
7丁目の地下にあった「名曲喫茶ウィーン」は2017年に閉店。
21世紀まで頑張っていた老舗も少なくなかったんですね。
1980年代当時、狸小路にはお土産屋さんがたくさんありました。
京都の新京極みたいな感じでしょうか。
「民芸の里さっぽろ」「たぬきや(現存)」「しらかば(現存)」「ピリカ民芸品」「てづくり民芸みさお」「すずらん」「こぶしや(現存)」「旅人の店コタン」「北の民芸松屋」「にれ(現存)」「オリジナル民芸のんのん」などなど、旅愁を誘うお店が名前を連ねています。
あまりお土産屋がたくさんあるので、当時は「阿寒丁」とか呼ばれていたそうですね(知らんけど)。
観光地だったんだなあ、狸小路って。
その他「屯田舎」とか「海の魚やカムイワッカ」とか、北海道らしい名称が多いのも、当時の狸小路の特徴でした。
これ、今やったら外国人観光客にも受けそう。
みーんななくなった青春の思い出
個人的な思い出も少し。
まず、4丁目にあった「じゃがいもハウス」は後輩のカネコ君がアルバイトしていたお店。
3丁目「キクヤ楽器店」のあるメッセビルには「メッセホール」なんていうライブハウスがありましたね(現在は5丁目に移転)。
カネコ君がベース弾いてて、RCサクセションのカバーとかやってました。
楽器屋といえば、5丁目にも「かさはら楽器店」があったなあ。
タキ君とビリヤードしたのが、7丁目の「平和ビリヤード」。
当時、既にボロボロで、オシャレなナインボールよりモノクロの四つ玉が似合いそうなお店でした。
同じく7丁目の「う月食堂」、寅さんの映画に出てきそうな、レトロな雰囲気が最高。
ここのカレーライス、緑色だったんですよね。
「平和ビリヤード」の向かい側にあったのが古本屋の「大学堂書房」。
今、最高に行きたいのが、3丁目の「シェーキーズ」です。
アメリカンな看板がオシャレで良かったなあ。
自分じゃやらないから、詳しいことは分からないけれど、昔の狸小路にはパチンコ屋さんもたくさんありました。
むしろ、狸小路ってパチンコ屋のイメージが強いかも。
そんな懐かしいお店の数々、みーんななくなっちゃいましたー。
時の流れって、そんなもんなんすかね、先生。
まとめ
ということで、今回は80年代の狸小路にあって、今ではなくなってしまったお店を振り返ってみました。
札幌の人たちは新しいもの好きで、あまり歴史にこだわらないので、古いお店が生き残るのは大変みたいです。
街の新陳代謝とはいえ、ちょっと寂しいかもー。
せめて、現在も頑張っている老舗を応援していきましょう。
